
1つめのポイントは、理念・ビジョンです。これを全員で共有すること。その共有の度合いで組織の強さが決まります。でも大切なことは社内に徹底することだけではありません。それをどれだけお客様と共有できるかです。野球に例えると、監督がやりたい野球にどれだけ選手が共感しているかどうかが重要です。でもそれだけでは駄目です。その野球をお客様が見たいかどうかです。例えば、経営理念が利益追求であったとします。経営者と社員はそれでいいかもしれませんが、お客様から見たら、とても変な会社ということになります。何故なら、お客様からお金を吸い上げることを目的にしている会社ととらえられかねないからです。
経営理念で重要なことは、いかに社会に広くその理念が伝わっているかどうかです。そのため、お客様に理念を伝える努力がとても大切になってくるわけです。お客様が共鳴してくれれば社員の仕事は楽になりますしやる気も高まります。社員がやる気が高まらないと当然、生産性も落ちて、結果的に利益も生まれないという悪循環の流れになってしまいます。
2番目のポイントは企業倫理、社会貢献です。企業倫理は正しいことを正しく行うということです。これは会社のためではありません。社員一人ひとりのためです。騙して売って儲けても誰も嬉しくありません。ですから正しいことを正しく行うということは、スカッとした気持ちで仕事をするためです。うしろめたい気持ちで仕事をして生産性が上がるはずがないということです。
社会貢献の社会とは実は、一緒に働いている人も私は含んでいると思います。周囲の人をお互いに思いやるといった優しさもないような集団の生産性が上がるはずはないと思います。人に優しくしたら人は嬉しいと思います。本人が気持ちよくなれば自然と生産性は上がります。社会貢献を企業が大切に考える本質はそういうことだと思います。
3番目のポイントはお客様の理解と対応の仕組み作りです。つまり顧客満足です。お客様に「ありがとう」のお声を頂くと、社員のやる気は高まり、生産性が上がります。
私は以前、お客様満足のために死ぬ直前まで働けと言っていました。でもその間ずっと赤字でした。何故か。お客様満足のために社員は疲れ果ててしまうからです。でもある時、お客様より社員が大切という方針に切り替えました。すると会社は黒字になったのです。売上より優しさなのです。優しさが溢れない限り絶対売上は伸びません。
堂々とこのように言い始めてから私の会社の社員たちはお客様を大切にしてくれるようになりました。
先ほども書きましたように、お客様満足と社員満足と独自能力、そして社会の満足はテーブルの四本足ですので、どれか一本でも欠ければテーブルは倒れてしまいます。したがって、全部が同時に成り立つことを常に考えないといけません。世間様にも喜んで頂き、売り手も買い手も喜ぶ。つまり近江商人が300年も前から行ってきた「三方よし」の経営です。これが永続的な繁栄の条件ではないでしょうか。
4つめのポイントは戦略です。どこに人、物、金、時間を使うか、集中すべきかを考えることこそ戦略の要です。よく儲かったら勝手に高級車などにお金を使ってしまう経営者がいますが、これでは社員のやる気は高まるはずがありません。限られたお金は、お客様のため、社員のため、そして他社に差別化できるような独自能力の開発にこそ優先的に使われるべきです。そうすればお客様からたくさんのありがとうをいただき、胸を張って仕事できるようになった社員の生産性は自ずと上がります。
7つめのポイントは情報マネジメントです。これは簡単に言いますと、言った、言わない、聞いている、聞いていない、私だけは知らなかった、いつ決まったの、誰が決めたの、こういったことを無くしていくということです。こういった非効率なことをなくしていくように情報の共有化を進めていくと、やはり社員のやる気は自ずと高まるのです。
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